前回までのあらすじ
2015年の春に、孤独に始めたぼっちラジコン。
俺のラジコン ザッツ!RCカスタマイズ!
組立ても完了して、ボディを変えてみたり自分なりのカスタマイズをそれなりに楽しんでいた。
タミヤCC-01に「ダットサン240z」のボディを装着してみた初めての改造。
かなり満足いっているようで・・・実は、JKやJDばりに角度的に一番写りの良い角度の写真で・・・横から見ると・・・
バーン!
ホイールベースが全くあってなく、かなり不恰好でちんちんくりんな改造だった。
だが、自分なりにLEDライトをつけてみたり、なによりCC-01には無いボディを装着できてオリジナルのマシンにカスタマイズできたことが嬉しかった。マイラジコンをYOUTUBEにUPして一人楽しんでいた。
完成したマシンを夜な夜な眺めてはほくそ笑んでいる幸せな日々が続いていたが、当時それを言語化できなかったが何かが物足りなかった。
そう、この喜びを共有できる仲間がいないことだった。
ラジコン仲間のターゲット
そんな暑い夏のある日、同い年の友人「T」と「P」と3人で、新橋の居酒屋で飲んでいた時の話。仕事の話やら、家族の話やら、どこでも聞けるよくある何もおもしくない話がつづく。
新橋には、タミヤのフラグシップ店であるタミヤプラモデルファクトリー新橋店があることをふと思い出した。
私「おれ、最近ラジコン初めたんだよね」
T「ラジコン?タミヤのやつ?」
私「そう、タミヤのラジコン」
そういって、私はスマホから愛車である「俺のラジコン」CC-01の写真を見せた。もちろん角度が一番いけている例の写真だ。
T「ええやん!」
P「これ、自分で組み立てたの?」
私「もちろん、組み立てから塗装すべてやった、元々のボディから改造してる」
T「まじか、おれも小学校時兄貴がやってて、あんま貸してくれんかったわ」
2人とも、身を乗り出して話を聞いてくる。その眼差しが少年になっていることはよくわかった。
私「一緒にラジコンやらんか?」
私は、そう切り出してみた。
P「どこで買った?いくらだった?」
Pが間髪いれず、詳細を聞いてきた。
私はいける!と直感的に感じた。
私「ラジコンマガジンに載ってた、秋葉原のチャンプっていう有名なラジコン屋。普通はそんなところいけへんやん?ソロ(1人)で行ってきたわ」
T「お前、熱いなぁ」
P「このCC-01のFJクルーザーカッコいいけど、もっとレトロな感じのやつあるかな」
Pはもうすでに、スマホでタミヤのWEBサイトをチェックし始めている。
私「このCC-01ってシャーシはボディの種類もそこそこあって、4WDでトルクもあってなかなか力強い走りする。まあスポチュン付けてるからな」
P「スポチュンって早いモーターのやつ?」
Pの目が光った。
俺のラジコンから俺たちのラジコンへ…
私「そう、やっぱ改造とかカスタムするのはおもろい。おれのマシンももともとはウニモグっていうメルセデスのトラックタイプのやつだった」
T「お前、やるなぁ、確かにおもろそうやなぁ」
私はまだ、入門したばかりにも関わらず知っていることをおそらく「相当なドヤ顔で演説」していたのだろう。その成果?か、もう2人ともやる気になっているのは誰が見ても明らかだった。
私「あのさ、タミヤのマークの赤と青のスターの意味って知ってるか?」
T「動脈と静脈か?知らん、なんや?」
私「赤が情熱で、青が精密や」(ドヤ顔)
P「おお、まじ?それ熱いな!」
私「たぶんの情熱の中にも精密さが大切ってことやと思うわ」
ここまで、自分の話に食いついてもらえることがここ最近あまりないこともあって、タミヤのWEBなどで知ったにわかの知識を専門家風味に間違ったことも含めて私はまくしたてた、相当気持ちがよかった。
私「今度、チャンプに一緒について行くから、俺が買ったのと同じCC-01を買ったら?」
T&P「いいね!」
T「ボディは悩むなぁ!」
二人の表情と目に迷いは一切なく、まるで遠足を楽しみにしている少年のように輝いていた。
私「でさ、完成したら3人でどっかでレースしない?タミヤRCカーグランプリって昔テレビであったやん?」
T「あったなー、なつかしいなタキ博士のやつな」
P「まえちゃん?だよね?」
今もタミヤRCカーグランプリ時代は開催されているが、当然そんなことは誰も知らない。
T&P「熱いな!レースやろう!」
この日のどんな話よりもラジコンで盛り上がり、3人でラジコンを買いに行く日程を調整してその日は別れた。
私に、はじめてラジコン仲間ができた瞬間だった。自分がワクワクした気持ちが2人につながり、そのワクワクが3倍になった気分で楽しかった。
色々と背負うものが増えて、いい年した大人が「ラジコン」の話で目を輝かせた瞬間は今でも忘れることはできない。
ーRC買い物同行当日
仕事帰りに3人で秋葉原チャンプに向かった。
私「この前CC-01ウニモグかったものです!新しい、お客さん連れてきましたよ!」
まだ、来店2回目にも関わらず、友人2人の前だったのでパイセン常連風を吹かせた少年の心。
T「お前、なんやねんそのドヤ顔」
Tは、そんな私の少年の心的なものを察して揶揄するのが得意だ。なぜなら、その気持ちが痛いほど共感できるからだと思う。
私「3人で今度レースするんです!」
店員さん「いいですねぇ。ラジコンは仲間ができるとぐっと楽しくなりますからね」
そういって、2人は目を輝かしながら、私と同じく「俺のラジコン」を手に入れた。
そして、「俺のラジコン」から「俺たちのラジコン」に進化した瞬間でもあった。
ラジコン仲間ができたことで、「沼のはまり方がもう抜けれないところに来た」ことを
その時の私は知る由もない。
当時3人で初めてレースした時の記念撮影「一生の宝」
その時のラジコンレースをまとめた動画
次回!