前回までのあらすじ
たったひとりで初めたラジコンだが、
TとPという新たなラジコンチームメイトが加わり、相乗効果でラジコン熱は加速していた。
PART2でも紹介したが、とりあえず初めて3人で集まって野良レースを実施してみた。
その第1回RCカーグランプリと名付けたその会合は、全員の試走とそれぞれの「俺のラジコン」のお披露目会も兼ねていた。
ラジコンレースでかっこいい奴と速いやつが男前!
「次の第2回こそラジコンの実力に差がでる本番」と、3人ともそもそものテクも知識も無いのに、自分の「ラジコン力」を磨き、勝つんだと意気込んでいた。
3人は言葉には出さないものの「速くて、見た目がかっこいいやつが一番」という暗黙の目標があった。まさに「ラジコン切磋琢磨」とは、このことだと実感する日々が続いていた。
私も2人にはスピードでも見た目でも絶対に負けたくはなかったので、日々精進を積み重ねていった。
まさにラジコンカスタマイズという名のゴールもラスボスもわからない深いダンジョン(迷宮)の冒険の毎日だった。
私のラジコン(CC-01)カスタマイズ迷宮の冒険
【見た目】ブリッツァービートルのボディを装着してみて自己満足度が高かった動画
【足回り】謎にトルクスプリッター(フロントワンウェイ)をつけて、サイズがあってないMシャーシ用のラリータイヤをつけてみた動画
トルクスプリッターとは、当時は絶版となっていましたが、再販されたようです。
リアを横滑りさせて走らせるために、フロントをニュートラルブレーキがかからないようにするややマニアックなパーツ。
よくわからんけどなんとなく速くなるかなーと思ったが、その前にタイヤが全然ダメ笑。動画の解説ではアンダー(大回り)とオーバー(小回り)ステアを逆の意味にはき違えてもいます。ポンコツ感溢れるメモリアルアート。
ただただダサい!
【練習】地味に縁石にぶつかって、CC-01のアームが折れた動画
練習しててコツンと、まったく派手なぶつかり方してもいないのに、地味な激突が急所をついてロアアームが折れて心から泣いた動画。
【迷い】無駄に走りすぎて異音がして、原因がわからず自虐的になった動画
原因の特定とメンテナンスの方法がわからずどこからか異音がして、その音がリズミカルだったもんでつい。結局、異音は治ったり治らなかったり原因は不明。この現象を私たちは「呪い」と表現して嘲笑しあっていた。
「そのラジコン、呪いかかったな笑」
「かかってないわ!そっちのラジコンこそ呪いや!」
まるで小学生レベルの会話
【一旦完成】なんとなくいい感じに仕上がってると思っていた動画
一部だがこれらのドラマが3人が3人ともあり、全員の知識とラジコンスキルの引き上げの為にラジコン活動を共有しあった。
こんな会話が毎日SNSのチャット上で繰り広げられていた。
T「CC-01のピニオンギアかえた?」
P&私「当然でしょローライドキットで16Tから20Tね」
P「ネジロック材って、剛性上がるし便利だよ」
T「ああ、それな俺も持ってるわ」
P「マシン完成した?」
私「一旦完成!俺の勝ちやな!」(画像貼付でドヤ!)
T「そのボディかっこいいな。なんてやつ?」(先にやられた感でちょっと悔しげ)
私「マネすんなよ」
他の人がマネしても全く平気どころか逆に嬉しかったが、Tはなぜか私のマネばかりするので本気で嫌だった。
Tはその恐るべき習性から追従という名の”追獣”という肩書きで恐れられていた。
しれっと同じパーツを同じように装着したマシンで透かした顔をする危険なRC獣だ。
P「ネジロック材って便利だよ」
Pは常に斜め上の発言をする
T&私「もうネジロックはわかったって、何回言うねん!リンクもいらんわ!」
第2回RCカーグランプリ(自作でたった3人だが・・・)に向けてCC-01の様々なオプションパーツの意見交換、見た目のカスタマイズの競い合い、レース当日まで勝つために秘密にしておくことやライバルを蹴落とすための騙し合いや、疑問や改造方法を質問し合って解決する至福の毎日が過ぎていった。
当時のラジコンバイブル RCマガジン8月号
ところで、CC-01のユーザーの皆さんや、タミヤラジコン先輩諸兄はもうお気づきだろうか・・・
3人全員で大きく勘違いしていたこと・・・
そもそも、タミヤのCC-01のCCとはクロスカントリーの略で、ほとんどのCC-01ユーザーは野山などの道なき道をスケール感満点に走破する遊び方や、
ラジコンで普通に走るのに困難な岩山を上り下りできるかを挑戦するロッククローラー車として改造を楽しむのに最適なマシンであるにも関わらず・・・
無知な上に「CC-01でレースでスピードに挑戦」していた。
なぜスピードレースに向いていないCC-01でこうなったのか?振り返ると、
私が見た目だけでCC-01のウニモグを買った。
TとPにもそれを勧めた。
3人で遊ぶにはレースしかない。
レースだったらスピードに挑戦する改造カスタマイズするしかない。
という順序で、CC-01らしからぬちょっとおかしな方向に進んでいた。
CC-01は実車に忠実な機構を再現しており、レース向けではないシャーシでもあるので
「基本的にスピードやレースに耐えれるシャーシ構造にはない」ことはこの時は、当然わからなかった。
無駄にスポーツチューンモーターとピニオンギア比を変えて最高速を上げているので
ハイスピードで練習走行をするとハイサイド(曲がるときに遠心力に耐えきれず外側に転ぶ)はあたりまえ、
タイヤも駆動部分の周りもむき出しで、先ほどの動画のように縁石にあたって、部品やシャーソ自体が脱臼・骨折故障することが頻繁に発生
その代償として、パーツを買い替え、買い増し、オプションパーツで強化し、時にはネジロック材やシューグーですぐぶっ飛ぶネジやパーツを固定し、3人で完全RC重課金ユーザーとなっていった。
だが、しかし!そんなことはどうでもよかった・・・
ただただ、仲間とのそのプロセスが楽しい、
たとえRC重課金者になろうともその勘違いで大正解だった。
ラジコンは楽しいが正義だ。
※最近流行っているキャッチコピーを拝借
そして、第2回RCカーグランプリは開催された。
私のビートルに感化された、Tはハコスカボディ、Pはポルシェのボディで登場してきた。
タミヤRCカーグランプリに憧れているのでカラーコピーでゼッケンを作成。(もちろん無許可)
全員が自分のマシンが一番かっこいいと思いながら、写真を撮影するの図
満足満点の記念撮影
3人のポンコツ第2回RCカーグランプリ!
レースの帰りに、Tがラジコンを眺めながらつぶやいた「もっと仲間がほしいな・・・」
私は同意した「仲間をもっと増やそう・・・」
次回「ラジコンブーム到来!」
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